First Album
[TECHNOBOW]
1994.8.8 AnalogTape
1996.4.1 CompactDisk
1998.8.14 MiniDisk
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記念すべきファーストアルバム。解りやすいテクノポップを目指して作られた。13曲42分
xmoファーストアルバム「TECHNOBOW」のオープニングを華やかに彩る爆発音的ナンバー。
1993年暮れに行われた「xmo結成披露記者会見」のオープニングに試用され、会場を埋め尽くした関係者一同の度肝を抜いた。
本アルバムに収録されているバージョンが、その試用版にデベロッパからのフィードバックを反映させた物である事は、メンバーも殆ど忘れている。
「これぞ!!テクノ!!」と思わせる、典型的スタンダードナンバー。
「AFTER BOMB」から一気になだれ込むように始まる導入部が、ちくりん音楽工房の編集技術の高さを物語っている。
いつ途絶えるとも知れぬ普遍的リズムが突如途絶え、無(音)の世界へと続いていく辺りは、現在の人間社会の自動化現象の未来を予言しているようで感慨深いものがある。
また、その曲名から編集作業も全自動で行われているように思われがちだが、実は昔ながらの職人技が脈々と息づいている楽曲である。
ルーツ・オブ・xmo「全てはここから始まった・・・」的ナンバー。
後に生まれる事になる数々の名曲は、全てこの曲からの魂的刺激によって生まれたと言っても過言ではない。
竹林氏の類希なる才能が光る、初期xmoの名曲のひとつである。
親しみやすく覚えやすいメロディーが"忘れがたき故郷"を想わせるナンバー。
大胆にも童謡の要素を巧に取り入れ、既存の音楽にはない柔らかな安堵感を表現している。
日々、真のテクノポップの研究に勤しんでいる馬嶋氏の一つの成果である。
時折、聞こえてくる壮絶な雷は、近年のテクノに対するxmoの憤慨を表しているかのようだ。
また、伝えたい物事を包み隠さず率直に音楽で表現すると言う、xmoの精神が一貫して貫かれている点も興味深い。
「元祖、発禁!?」世界を震撼させた衝撃のナンバー。
独創的なリズムと時折挿入される絶叫が怪しげな空間を想像させる。
毎年開催されている「フライトレコード音楽祭」では、つねに上位に食い込んでくると言う油断のできない楽曲である。
淡泊な刺激と、迫り来る絶頂感がすべての音楽媒体を興奮させる。
非常に効果的に使われた高度なサンプリング技術は、全てのxmoサウンドに多大な影響を与えた。
新実氏の実体験から生まれたと言う、哀愁のブルース・ナンバー。
目前の机に置かれた冷たく冷め切ったカレーライス、そのカレーライスをただひたすら見つめる少年。
放課後の教室に居残りさせられた時の何とも言えぬ思いを、泣きのギターで表現した叙情的楽曲である。
シンプルかつ印象的なベースラインが当時の状況を忍ばせ、曲名同様、頭にこびりついて離れない。
竹林氏のEWIが唸る、伝説のナンバー。
呼吸困難になるほどのその圧倒感は、我々の魂を揺さぶらずにはおかない。
特に、後半の畳み掛けるようなEWIソロは、トランス状態に陥るほどだ。
発表当初、より多くの人に聞いて貰う為、GM(SC-55mkII)音源化作業が進められたが、再現不可能によりお蔵入りになったと言う逸話がある。
尚、読み方は「さんじー」である。
新たなるジャンルを築いた、竹林氏入魂のナンバー。
竹林氏の提唱する"チャネリング・ミュージック"を代表する一曲である。
常人には困難とされるその作曲方法によって、独特の世界観を構築するのに成功している。
xmoの楽曲としては異色な存在だが、決して外す事の出来ない重要な楽曲である。
つい先日、都内某所で行われた竹林氏の独奏会において、以前msx用として公開された「初心者向け"チャネリング・ミュージック"作成支援ソフト」の各機種への移植が発表された。
小学生にも簡単に弾いてもらえるような庶民的ナンバー。
この曲もまた、馬嶋氏の童謡音階が爆発し、聴く者を遠い故郷へ後押しする。
キーボードは好きだが、人差し指一本でしかも白鍵しか弾く事のできない人にお勧めの楽曲である。
かし、中間部の強烈なドラムソロは、馬嶋氏の両指がつるほど大変なものだったと言う。
小学生やお寿司屋の板前さんにとても人気があり、xmoの楽曲にしてはやや異色な存在でもある。
新実氏のスペシャルギターが響きわたるロックンロール魂的ナンバー。
舞台は最終戦争の真っ直中。我々は戦闘機に乗り込み、何発も何発も機関銃を撃ちまくる。
サディスティックな新実氏のギターソロにより、ライブでは常に高い盛り上がり度を獲得している楽曲である。
その絡みつくようなギター奏法は、以後のxmoの方向を少しづつ変えていった。
一部のマニアの間では、馬嶋氏の歌が入った幻のバージョンを収録したデモテープが、レアーアイテムとして珍重されている。
馬嶋氏が全世界へ警告を放つ独特のナンバー。
自然界は、絶妙なバランスを保ちながら存在している。
そこに我が侭なジュリエット(すなわち人間)が登場する。
ジュリエットの行動を一部始終監視していたロミオ(すなわち神様)は、ジュリエットに試練を与えた。
xmo独自のサンプリング技法は、この曲でも密かに使用されている。
曲中で使用されている馬嶋氏の叙情詩の英訳が歌詞カードに収録されているが、その事に気づいた人は極僅かだと言う。
すべてのリズムは"燃えないゴミ"になるシンプルなナンバー。
「弾けるようなダンサブルリズムが攻めてきた!!」
「リスナーはどこまで耐えられるか!?」
某テクノバンドの曲に呼応するかのように作られた楽曲である。
新実氏の入魂のカッティングギターが、激怒からの恩情を表しているかのようだ。
また、最後のメロディは消去されるデータの悲しみを考慮しつけ加えられた。
南極からの夏の便りを思わせる不可思議なナンバー。
ハイハットのコンビネーションで軽い始まり方をするが、その直後に南極から届いたばかりのような強烈な猛吹雪が到来する。
この曲もまた、セカンドアルバムに収録された「EXPLORATION」と同様、ゲーム音楽として作成されたにも関わらず、作者の意向によって使用されなかったものである。
希望の中に悲しみを感じさせる最後の音の洪水は、我々に何かを汲み取らせようとしているかのようだ。